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「今日はダムの放流で水量が多いから~きっとおもしろいよ~」
体がマッチョなのにどことなくおネエ系なしゃべり口のガイドが、そんなことを言った。
俺の人生にはそういう人と縁があるのかと若干心配にはなったが、これから行くラフティングにはマッチョは重要だ。少なくとも見かけマッチョのどっかの先輩よりは良いだろうと、苦笑いを飲み込んだ。
別名、激流下り。
ラフティングはゴムボートの上でパドル一つで激流を下る、夏のアクティビティだ。
サンボルは2回目ではあったが、前回は秋ごろに行ったために水量が少なかった。今回は経験あろうがなかろうがあまり関係ないだろうな、と思わせるほどの水流が目の前にあった。
「ん~さて、乗る場所なんだけど、一番前はもちろん一番危険だし水もたくさんかぶるけど、やりたい人は……」
「はいっ」
せっかく来たのにおもしろいところに行かないわけにはいかない。もちろんサンボルはすぐさま手を挙げた。
が、そんなことしなくてももう十分おもしろかったのだが。
「がんばれ、ヒヨコ隊長!」
この川まで来る前にあまりにも暑かったので水をかけてもらったのだが、遠慮せずにバンバン水をかけてもらっていたら、それがおもしろかったのかガイドからヒヨコが乗ったヘルメットを渡された。
五十人以上居るなかで、みんな青いヘルメットなのに、サンボルだけ白いヘルメットにヒヨコ。ときどき感じる女の子たちの痛い子を見る視線を感じながら、ボートに乗り込んだ。
川に出ると明らかな激流だった。
もちろん、激流下りにきているから当たり前なのだが。
それでも経験者ということも少しは功を奏し、自分の身長以上の波を次々を越えて行った。
「いやー楽しいですね」
「ほんと今日は良いよ……って、あ!」
大きな波を越えてから、ふと後ろを見たら別のチームが思いっきり転覆していた。
次々とそのボートのメンバーが投げ出された。
救命胴衣ももちろん着けているし、周りにボートもあるから大丈夫だろうと、転覆したボートを見て笑いかけた、そのとき。
「後ろ漕ぎいいいいっ!」
ガイドの掛け声で一斉にボートにブレーキをかけ、流れてくる転覆したボートを止めようとする。
ガイドの顔は、冷静さを保ってはいるが、明らかに真剣だ。
ふと、漕ぎながら前を見ると、真ん中に大きな岩があり、その周りが渦を巻くような激流になっていた。
ここは落ちてはダメな場所だったのだ。
「もっと、もっと!」
だが、流れる川に逆らって漕ぐのは尋常じゃない。無残にも流されて行く転覆したボートを必死にひっくり返そうとするそのボートのガイド。
サンボルたちは一人のメンバーを助け出してから体勢を立て直し、そこの激流を越えた。
「そっちは何人助けた!?」
「2名!そっちは!?」
「こっちに1名!これで全部だよ!」
どうやら全員無事だったようだ。
そしてそのときになって歓声と共に笑い声が起こった。
「まったく、ちょっと真剣になっちゃったよ~」
さっきまで頼もしかったガイドも、すっかりおネエ系に戻っていた。
「今日は彼のおごりでおいしいビールだな。ボート転覆させるとね、罰金でビールおごらせるんだ~」
自然の力はどこでなにが起こるか分からない。
頭にヒヨコが付いてるから落ちても大丈夫、なんて冗談で言っていたが、落ちなくて本当に良かったとサンボルは心でつぶやいていたのだった。
+++++
体がマッチョなのにどことなくおネエ系なしゃべり口のガイドが、そんなことを言った。
俺の人生にはそういう人と縁があるのかと若干心配にはなったが、これから行くラフティングにはマッチョは重要だ。少なくとも見かけマッチョのどっかの先輩よりは良いだろうと、苦笑いを飲み込んだ。
別名、激流下り。
ラフティングはゴムボートの上でパドル一つで激流を下る、夏のアクティビティだ。
サンボルは2回目ではあったが、前回は秋ごろに行ったために水量が少なかった。今回は経験あろうがなかろうがあまり関係ないだろうな、と思わせるほどの水流が目の前にあった。
「ん~さて、乗る場所なんだけど、一番前はもちろん一番危険だし水もたくさんかぶるけど、やりたい人は……」
「はいっ」
せっかく来たのにおもしろいところに行かないわけにはいかない。もちろんサンボルはすぐさま手を挙げた。
が、そんなことしなくてももう十分おもしろかったのだが。
「がんばれ、ヒヨコ隊長!」
この川まで来る前にあまりにも暑かったので水をかけてもらったのだが、遠慮せずにバンバン水をかけてもらっていたら、それがおもしろかったのかガイドからヒヨコが乗ったヘルメットを渡された。
五十人以上居るなかで、みんな青いヘルメットなのに、サンボルだけ白いヘルメットにヒヨコ。ときどき感じる女の子たちの痛い子を見る視線を感じながら、ボートに乗り込んだ。
川に出ると明らかな激流だった。
もちろん、激流下りにきているから当たり前なのだが。
それでも経験者ということも少しは功を奏し、自分の身長以上の波を次々を越えて行った。
「いやー楽しいですね」
「ほんと今日は良いよ……って、あ!」
大きな波を越えてから、ふと後ろを見たら別のチームが思いっきり転覆していた。
次々とそのボートのメンバーが投げ出された。
救命胴衣ももちろん着けているし、周りにボートもあるから大丈夫だろうと、転覆したボートを見て笑いかけた、そのとき。
「後ろ漕ぎいいいいっ!」
ガイドの掛け声で一斉にボートにブレーキをかけ、流れてくる転覆したボートを止めようとする。
ガイドの顔は、冷静さを保ってはいるが、明らかに真剣だ。
ふと、漕ぎながら前を見ると、真ん中に大きな岩があり、その周りが渦を巻くような激流になっていた。
ここは落ちてはダメな場所だったのだ。
「もっと、もっと!」
だが、流れる川に逆らって漕ぐのは尋常じゃない。無残にも流されて行く転覆したボートを必死にひっくり返そうとするそのボートのガイド。
サンボルたちは一人のメンバーを助け出してから体勢を立て直し、そこの激流を越えた。
「そっちは何人助けた!?」
「2名!そっちは!?」
「こっちに1名!これで全部だよ!」
どうやら全員無事だったようだ。
そしてそのときになって歓声と共に笑い声が起こった。
「まったく、ちょっと真剣になっちゃったよ~」
さっきまで頼もしかったガイドも、すっかりおネエ系に戻っていた。
「今日は彼のおごりでおいしいビールだな。ボート転覆させるとね、罰金でビールおごらせるんだ~」
自然の力はどこでなにが起こるか分からない。
頭にヒヨコが付いてるから落ちても大丈夫、なんて冗談で言っていたが、落ちなくて本当に良かったとサンボルは心でつぶやいていたのだった。
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