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 戸隠流忍法資料館、と書いた看板があった。
「……とがくれ」
 とがくしだった。
 この前のゴールデンウィークの金曜日には、周りが休んでいるなかサンボルは出勤したので、その代わりと自分に言い聞かせて月曜日に年休を取った。
 社会人になってからこっち、混んでいる土日しか旅行に行けていなかった。まあ当たり前と言ってはそうなのだが、たまにはこうして平日に休みを取って、空いているときに旅行するのも良いものだ、とサンボルは思った。
 関東に居ると2日やそこらではせいぜい2~3県先くらいが限界だ。そういうこともあって、日曜と月曜で長野の軽井沢に来て、そこから長野市の奥地の忍者村に来ていた。
 しかし、長野は広い。
 地図で見てもそれほどだとは思わなかったが、実際に運転すると相当な距離ということが分かる。特に時間が無いときには余計にそう思える。
 まあ忍者村が大都会にあっても困るか、とサンボルは固くなった肩を回しながらつぶやいた。
「まず先に忍者からくり屋敷に行こう」
 妻にそう言われ、足早にその建物に向かう。
 かやぶきのなんともそれらしい建物に入ると、そこにはなんともそれらしい忍者風のおじさんが座っていた。
「この建物は、自力で出口を探すルールになっていますので」
「……出口を探す?」
 資料館なのにいったいどういうことなんだと思ったが、入った瞬間に全て理解した。
 扉が普通ではないのだ。というか、扉と呼ぶことすら間違いなのかもしれない。
 壁やら置物やら囲炉裏やらに仕掛けがあって、想像どおり、いや想像を超えた仕掛けの数々が屋敷にちりばめられていた。
 てんやわんやでなんとか脱出することができたが、出れない人は下手をしたら二度と出れないだろう。
「こういう屋敷ってほんとにあったのかな」
「家がこんなんだったら、諦めて帰りそうだよね」
 だから友だちができずに山奥深くに潜んでいた、のかどうかは定かではない。

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