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「なんか、どんどん凄くなるね、髪……」
「元に戻ってるだけですよ」
 出張先で一番歳の近い先輩に言われた。
 今週も半ば過ぎになってやっと気にされたか、とサンボルは思ったが、もしかしたらみんな敢えて触れないようにしているのかもしれない。
 それとも感覚がマヒしてしまっているのだろうか。
「じゃあ次は金髪かな」
「いや……さすがに、それはしませんよ」
 いくらなんでも社外の人に会うときだってある。
「まあ、そうか。茶髪ならいるけどね、ほら」
 会社という集団にいても、研究者は奇抜な発想が求められるし、個性が重要視される。集団からしたら異質なのかもしれない。
 だから会議とかで知らない部署の人でも、何事もなく、普通に接してくれてる。
 若干、目が泳いでいたように見えなくもなかったが。
「んー、女性は、良いんじゃないですか?」
「なんで女性は良いんだろうね」
「だって、それは……それを判断する上の人が男だから」
 それも変な話だが、往々にしてあることだな、とサンボルは思った。
 見た目なんて、良いとか悪いとか場にふさわしいとかではなく、それを見る人がどうかということだ。
 互いに良いと言ったら、夏場に水着で出社もあるかもしれない。この夏は電力不足だというし、節電もできて良いのではないだろうか。
 もっとも、男たちの仕事の能率は落ちそうだが。
「上の人が女性なら、俺らも結構自由になるかな」
「そうかもしれませんね」
 雇用の均等化。十分なようでまだ不十分なのだ。
 別にこれ以上自由に髪をいじる気もないが、そしたらどういう風にしようかな、と、前髪を触りながら考えていた。

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