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 やはりこういう感じがしっくりくるな。
 鏡を見ながら、まっすぐになった前髪と、刈り込んだ左の上からかぶせた髪を見て思った。
 就職してからというもの、やはり少し遠慮気味になっていた髪を、今回で思いっきり思い通りにした。
 目に前髪がかかってないし、耳にもかかってない。一番長い髪の毛の長さも肩の上くらいだし、社会人として、何も間違ったものではない。
 ただ、少しだけ見た目が特徴的なだけだ。
「そういえば、最近ほんと納豆無いよね」
「そうですね」
 地震があってから流通がマヒしてるせいで、いろんなものが店から消えているけど、特に納豆と豆腐は最近まったくと言っていいほど無い。
 サンボルの美容師も和食派で、朝の納豆は欠かせないという。
「納豆の生産ってそんなにしてないのですかね」
 それとも日本の納豆は本当に水戸だけで担っていたというのか。
「自分で作れないかな」
 確かに、何かの番組で自家製納豆作ってるのを観たことがある。
 煮た大豆を温かいうちに藁で包んで、既製の納豆を数粒入れて、あとは懐に入れておく。
 しかし、だ。
「……出来上がったネバネバした大豆、食べるの勇気入りますね」
 自分の体温で出来上がった糸を引く大豆。ちゃんと納豆菌で発酵したかどうか不安になる。
 というか、発酵であるかどうかすら怪しい。
「たしかにね」
 そう言って笑いながら手についたワックスを拭いていた。
「そもそもいつまで食べられるかも分からないしね」
 昔の人は食べられるかどうかは味をみたり、実際食べて大丈夫かどうかで判断したはずだ。今回だってもちろん、体を指標にすることとなるだろう。
 そもそも納豆の発見だって、どっかの武士が保存食で持って行った大豆に納豆菌がついて、いつの間にか発酵していたという話だ。
 その武士はきっと食べるのを躊躇っただろうが、それしか食べるものがなくて食べたのだろう。
 ただ、とそこまで考えて頭を整理した。
 そこまで食料不足ではない。
「まあちょっと難しそうですね」
 それでも、こういう時勢だし試しに本気で作ってみようかな、と半ば本気で考えたのだった。

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