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 長ければ良いというわけでもないし、短ければ未熟というわけでもない。経った時間よりは、一緒に過ごすたびにどれだけ前に進めるかというとこだと思う。
 気がついたら、今日でもう8年という年月を彼女と一緒にいる。
 そして、結婚してから1年という区切りの日だ。
 それでも、とりとめなく互いに新しいことを発見するし、一緒にやって楽しいことは途方もなくたくさんある、と、サンボルは思っている。
 付き合って3ヶ月で別れた、なんて学生にはあることだが、サンボルにとってそれは付き合ったことに値しない。3ヶ月一時も離れずに一緒に住んでいたとなれば話は別だが。
「……さっき、ダブルデートみたいな人たちが居たけど」
「ん?レジんとこに居る人たち?」
「ダブルデートでこの店はないと思うんだけど」
 若年層よりは、どちらかというと熟年層が多い料理店。
 じゃあ俺らはどうなんだと思ったが、そういえばサンボルは好みや趣味の話になるといつも先輩方から、お年寄りみたい、と言われる。好きなんだから、まあしょうがないか。
 それで、哀れにもダブルデートと疑われた人たちを見ると、明らかに自分らより年上に見えた。
「それとも、友だち同士かな」
「というか……あのくらいの年代でダブルデートはないと思うけど。ほら、完全割り勘してるし」
「ほんとだ、そうだね」
 それからは、自分たちの昔の話になった。
 初めてのデートの昼食はそば屋だった、なんて話をしながら、やっぱり変わってないなとサンボルは思った。そう思って、頭のなかのそれを取り消した。
「そろそろ行こうか」
「そうだね」
 立ち止まっているのではない。
 きっと、一緒に、進んでいるのだ。

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